SSブログ

豊田美術館 クリムト展 ウイーンと日本1900 [その他]

楽しみにしていました。



豊田美術館01.jpg

豊田美術館02.jpg


音声ガイドリストです。


豊田美術館11.jpg


第14回分離派展の「ベートーベン・フリーズ」原寸大複製、その存在を知らずに来ました、目の前に現れた瞬間、感動しました。
マーラーと結婚する前、クリムトにぞっこんだったアルマ・マーラを介し交流の有った、作曲家グスタフ・マーラー。フリーズのベースとなった「第九」の第4楽章をマーラー自らアレンジし、展覧会初日に展示室内で演奏しています。今回の複製展示室でも「歓喜の歌」が流れていました。
フリーズは壁面上部の帯状の装飾を表す建築用語。


この分離派展の様子を再現した分離派会館(ゼツェッシオン館)のスケールモデル(スケルトン)もあり、見応えがありました。
分離派展のポスターも何点か出ていました。


このフリーズは彼の一大転機ともなっているようです。
当時ウイーンの人々はこの作品に拒否反応を示し、非難轟轟。
正面の左端のゴルゴンの3姉妹が、肉欲・淫欲・不節制を表し、これが嫌悪され集中的に非難を受けたそうです。
展覧会が不評となり、分離派内からも批判され、世間から遊離し、国家の庇護も外され、分離派から去ることになります。
この後世間や社会、政治的な事象に興味を失い、女性、エロスを主題とする作品へと移り黄金期を迎えています。


フリーズの前に依頼を受けたウイーン大学講堂の天井画でも、下絵の段階で大学側から批判を受け、自ら依頼を返上しました。
両作品とも女性に導かれ、女性に惑わされ、女性に救われるという、男性上位の人々には受け入れ難い表現が在るようです。
アバンギャルドに過ぎたと解釈すればよいのでしょうか、百余年を経た今の日本人には何故かしっくり来るのですが。


西洋世界東の果てウイーンの世紀末、東洋の美術工芸にも傾倒し新たな絵画装飾表現を創生する革新の旗手。アトリエなのかサロンなのか、それともハーレムなのか、ウイーンの女性に囲まれて、エロスを賛美享受した耽美派リバタリアンだったのだと思いました。


豊田美術館03.jpg


立地が都心ではないので、ゆったりとした空間が心を和ませてくれます。


豊田美術館04.jpg


豊田美術館05.jpg


豊田美術館06.jpg


豊田美術館07.jpg


豊田美術館08.jpg


豊田美術館09.jpg


豊田美術館10.jpg


新幹線に乗って混雑の東京まで行かずに済みました、日曜でも比較的ゆったりと地元で観ることが出来、これはとても嬉しく有り難いことです。

カラヴァッジョ展が名古屋に来ます。名古屋市美術館:2019・10・26~12・15

同じく名古屋市美術館で、没後90年記念 岸田劉生展:2020・1・8~3・1

印象派の珠玉の傑作が多数来名 愛知県美術館 コートールド美術館展 魅惑の印象派 2020・1・3〜3・15

京都国立近代美術館ですが、円山応挙から近代京都画壇へ:2019・11・2~12・15


この秋冬楽しみがいっぱい、どれだけ行けるでしょうか。

コメント(0) 
共通テーマ:アート

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。