読んだ本 #6 糖尿なのに脂質(あぶら)が主因 子の肥満体質は、胎児授乳期の母親の食生活が決める。 [読書]
以下P58∼59より抜粋要約
脂肪細胞は脳細胞や筋肉細胞と似ていて、胎児期や乳幼児期に盛んに分裂して数が増えますが、そのあとは数が増えない、あるいは増えてもわずかであると考えられています。
胎児期の脂肪細胞の分裂を促進するホルモン様物質として、アラキドン酸から作られるプロスタグランジンI2があります。これが多くつくられると脂肪細胞の受容体に結合し、その分裂を促して数が増えるのです。したがって母親がリノール酸を多く食べてプロスタグランジンI2が多くつくられる状況にありますと、子の脂肪細胞の数がふえることになります。
成熟してエネルギーが過剰の状態になりますと、脂肪に変換され、脂肪細胞に蓄えられますので、脂肪細胞のサイズがだんだんと大きくなります。しかしこれにも限界があり、一定のサイズ以上になりません。これがインスリン抵抗性をもたらす重要な要因となります。
以上本文より
肥満の脂肪組織ではマクロファージ・好中球・T細胞などの免疫細胞の浸潤があり、脂肪組織そのものの慢性的な炎症変化が生じます。加えて肥大化した脂肪細胞では炎症性のサイトカインの産生が亢進し、抗炎症性のサイトカインの産生が減少します。
これにより肥大化した肥満細胞を多く抱えるほど、体全体が炎症状態に傾くこととなります。動脈硬化は血管の内皮細胞の炎症にも原因が求められますし、アレルギーや自己免疫、膠原病の要因としても炎症状態が作用します。肥満細胞が炎症性内分泌物質を産生する最大の臓器といわれる所以かと思います。
Honya Club にジャンプします、七五書店店頭受け取りで注文ができます、注文には登録とログインが必要。
コメント 0