読んだ本 囚われの盤小島環／著

久方ぶりの歴史物です。

仇討愛憎ドロドロ活劇血みどろの世界か？と思いきや、読後スッキリ爽快感。

貴族の惣領を嘱望される少年と、故有ってその許嫁となり共に暮らし、天才工匠への道「工作」を唯一共通の楽しみとして育ってゆく二人。
共に最大の理解者で最高の伴侶になろうかという二人を、少年の父は我が子の許嫁を自らの妾とするために引き離してしまいす。
ここから暗転全てを失った少年は愛憎の淵を、かつての最愛の許嫁を探し求め仇討の旅へと・・・。

空間描写や色彩表現のセンスの良さにしびれました。
物語の場面設定が鮮やかな色彩と共に三次元空間として著者の頭にあり、そこから全てが始まる感じです。
映画を見ているように、情景の映像が浮かんで来るビジュアル系の文章、なかなか巡り合えません楽しませて頂きました。

映像化やコミック化期待します。

愛・友情・恩義・利害・怨念、人の世のしがらみから解き放たれ、天空を鳥のように自由に羽ばたくことが出来たら・・・。

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読んだ本 囚われの盤　小島環　講談社