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読んだ本 #2 糖尿なのに脂質(あぶら)が主因 ビタミンKとオステオカルシン。多くの植物油脂種が過剰に摂取されており危険である、動物性の脂が安全。 [読書]

糖尿なのに脂質(あぶら)が主因.png

糖尿病の主因は植物油脂(全てのではありません)です、糖ではなかったのです。

 

糖尿病予防の食事指導として、「ビタミンK2の多い肉類、乳製品、発酵食品などの摂取を多くし、水添植物油やカノーラ菜種油、それらと同様の脳卒中促進作用を示すオリーブ油やコーン油などを避けること」が勧められる。すなわち数種の植物油が脳・血管疾患や糖尿病の発症原因となっていることを指摘できる。

 

 

本書VI章では、動物実験で好ましからざる結果を顕した油脂として、次の植物油を挙げています、一部人間への作用に関しても触れられています。カノーラ菜種油、水添大豆油(マーガリンなどの原料)、大豆油、オリーブ油、コーン油、綿実油、ヤシ油類(ココナッツ油、ノコギリヤシ油、パーム油)、ヒマワリ油、月見草油、高リノール酸ベニバナ油、アラキドン酸(発酵法)、高リノール酸油一般。


上記いづれかを用いた動物実験での作用を、以下のように示しています。(P66表6より)


高血圧で脳卒中を起こしやすいSHRSPラットをを用いた研究により、血小板減少促進、脳出血促進、腎組織障害、寿命短縮、テストステロンレベル低下、抗酸化酵素レベル低下。


マウスを用いた研究により、ビタミンK作用障害:石灰化促進(骨そしょう症、血管内石灰化)、行動パターンの変化、寿命短縮、目の奇形。


ラットを用いた研究により、すい臓機能障害、異常な発がん作用、糖尿病促進。


ラット、マウスを用いた研究により、血栓症、アレルギー反応促進。


本書の呈する、「植物性の油脂は危険なものが多く、動物性の油脂は安全なものが多い。」この過去の誤った常識を正面から否定する言説は、いまだに世俗において十分な信認を得ることができていません。


LDLは重要な栄養輸送粒子です、含まれるコレステロールは脳神経系の主要な細胞膜構成要素であり他の細胞膜にも必要とされています、ステロイド系のホルモンの原料ともなります。「日本のLDL基準値は低すぎます、コレステロール低下医療は危険です。」という、日本での多数派の認識とは異なる言説は異端の扱いになります。悪玉コレステロールという最悪さという意味で最高に秀逸なネーミングは、忙しすぎることを好む多くの医師や栄養士も含め、いまだに世俗の血管疾患予防に関する信仰の中心となっています。


ここでさらに,油脂と糖尿病およびその合併症との因果関係において、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、”多価不飽和脂肪酸”n3、n6、および鎖長の差によってそれぞれが個別に持つ、これまでに明らかとなっている機能影響(これすらも最新の情報は多くの栄養士や忙しすぎる医師を含めた世俗が理解しているとは思えません)とは別に、というかそれに劣らない影響因子の存在を認めざるを得ない。ここからが本書の核心、当学会の革新的発見です。


しかし世俗の知識関心は上記の通りです。大口広告主のご機嫌を損ねるような情報は扱えないマスコミ。票と政治資金に忠実でなければ生き残れない政治家。自らの組織と関連業界の利益に縛られ政治世論の圧力に逆いきれない行政人。自らの体の状態の把握や対応を丸投げして、目の前にある苦しみや不便さを解消してほしい、もっと楽にもっと長く生きていきたいと願う多数の人々、そこに経済的価値を見出すクールな面々。価格やパッケージ、コマーシャルの印象、量の多寡味香り満足度、等は選択の基準とするものの、成分原材料については行政業界の規制基準を、世界に誇る日本の安全性と妄信する消費者。


業界の”当面の”利益に反する。消費者の安きに流れるという”当面の”利益に反する。マスコミも政治も行政も”当面の”利益を考えると積極的にかかわる必然性がない。この植物性の油脂に関する危険情報をどのようにすれば大衆に刷り込むことができのでしょうか。利益相反にこだわり当問題を提起し続ける当学会の忍耐は驚嘆に値します。このような学術研究の社会的価値は、通俗常識にまで落とし込まれなければ生まれてきません。


先に紹介した、糖尿なのにあぶらが主因pdfのP12~P14を参照下さい下記項目です。


X-3  糖尿病予防の油脂の選択>植物油>
(ウ)動物で脳卒中促進作用が認められている植物油と植物油脂(エ)高オレイン酸植物油(オ)トランス脂肪酸―植物油の水添による工業トランス脂肪と反芻動物のもつトランス脂肪


ブログ主は、このデリケートな学術的記述を誤りのないように、また誤解の生じないように正確に短縮するには能力的に不十分です。以下本書VI章「植物油脂がインスリン分泌能を低下させる―ビタミンK、抗酸化酵素などの活性を阻害する油脂の微量成分―」の”まとめ”本文を紹介します。別途本書を手に取り40ページ強の当該部分の精読をお勧めします。


以下引用開始、本書P126
カノーラ菜種油と水添大豆油は大豆油に比べ、腎障害、脳出血促進作用などをともない脳卒中(易発症性)ラットの寿命を用量依存的に短縮する。またこれらの油脂はビタミンK2活性の阻害、テストステロンのレベル低下など多様な有害作用を示す。これらの作用は脂肪酸や植物ステロールの組成の差では説明できず、水添大豆油中のジヒドロ型ビタミンK1およびそれと同様の作用をするカノーラ菜種油中の微量成分が有害因子であると解釈できる。
骨芽細胞ホルモンのオステオカルシンや細胞間物質マトリックスGlaタンパクはビタミンK2作用で活性化され、骨密度を維持し、動脈や腎組織の石灰化を防いでいる。オステオカルシンはまた精巣、すい臓、腸管など多くの臓器の機能に関わっている。ビタミンK2代謝を阻害する植物油脂(カノーラ油、水添大豆油など)は、オステオカルシンやマトリックスGlaタンパクの活性化を抑え、糖尿病、脳卒中、動脈硬化、骨粗しょう症などの原因となるほか、環境ホルモンとしても作用する。これら主に動物実験で明らかにされた「ビタミンK2活性の阻害と疾患の関係」は、人でもみられている。糖尿病予防の食事指導として、「ビタミンK2の多い肉類、乳製品、発酵食品などの摂取を多くし、水添植物油やカノーラ菜種油、それらと同様の脳卒中促進作用を示すオリーブ油やコーン油などを避けること」が勧められる。すなわち数種の植物油が脳・血管疾患や糖尿病の発症原因となっていることを指摘できる。


以上引用終了




2012年9月8日日本脂質栄養学会第21回大会(麻布大学)において開催されたパネルディスカッション「再考 コレステロール問題」での奥山治美先生の講演動画です。


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糖尿なのに脂質(あぶら)が主因 「糖尿病とその合併症予防の脂質栄養ガイドライン」 日本脂質栄養学会 糖尿病・生活習慣病予防委員会/著


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